『うるわしの宵の月』(やまもり三香)は、“王子”と呼ばれる少女・宵と、同じく“王子”と称される先輩・市村の出会いから始まる不器用で繊細な恋を描く学園ラブストーリー。
周囲から憧れの視線を向けられながらも、本人はその扱いに複雑な思いを抱えている。
そんな宵が出会うのは、同じく“王子”と呼ばれる一つ上の先輩・市村琥珀。
最初は失礼な物言いに反発する宵だが、酔っ払いから店員を助けた際に市村が加勢し、思わぬ距離の縮まり方をする。
さらに市村から「美しい」と言われたことで、宵の中に初めて芽生える“女の子としての動揺”が物語を動かしていく。
互いに不器用で、恋に慣れていない二人が少しずつ惹かれ合い、関係を深めていく過程を丁寧に描いた、胸がきゅっとなるラブストーリー。
作品名: うるわしの宵の月
作者: やまもり三香
ジャンル: 少女漫画・恋愛・学園
掲載誌: デザート(講談社)
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目次(もくじ)
『うるわしの宵の月』(やまもり三香)詳細レビュー
本作の魅力は、派手なイベントよりも“心の揺れ”を丁寧に描く静かな恋愛描写にある。
宵は凛々しい容姿と振る舞いから“王子”と呼ばれるが、本人はその役割に戸惑いを抱えている。
一方、市村もまた“王子”と呼ばれる存在でありながら、軽やかさの裏に孤独を隠している。
似ているようで違う二人が、互いの弱さに触れた瞬間に距離が縮まる描写が秀逸。
特に「美しい」という言葉が宵の価値観を揺らす場面は象徴的で、恋の始まりの痛みと甘さが同時に押し寄せる。
静かに沁みる恋物語を求める読者に最適の一作。
あらすじ:「うるわしの宵の月」
滝口宵は、整った容姿と凛とした佇まいから、女子たちに“王子”と呼ばれ慕われている。本人も姫よりヒーロー気質だと自覚しているが、その扱いに居心地の悪さを感じていた。
ある日、宵は街で偶然ぶつかった男子に失礼な態度を取られ反発するが、その相手こそ同じ学校で“王子”と呼ばれる先輩・市村琥珀だったウィキペディア。
後日、コンビニで酔っ払いに絡まれた店員を助けた際、市村が加勢したことをきっかけに二人の距離は急接近する。
市村から「美しい」と告げられた宵は、初めて“女の子として”見られた戸惑いと高鳴りを知る。
忘れ物を届けに来たり、熱を出した宵を看病したりと、市村の行動は次第に宵の心を揺らしていくウィキペディア。
やがて市村の「気になっている」という言葉をきっかけに、宵は彼を意識し始め、二人は“試しに付き合う”という曖昧な関係へと踏み出していく。
作者紹介
やまもり三香は、繊細な心理描写と柔らかな線で人気を集める漫画家。『ひるなかの流星』『椿町ロンリープラネット』など、恋愛作品で高い評価を得てきた。
『うるわしの宵の月』は、彼女が講談社『デザート』で初めて連載する作品であり、これまでの“きらめきのある恋”に加えて、より静かで内省的な感情の揺れを描く新境地となっている。
キャラクターの表情の変化や沈黙の間に宿る感情を描くのが得意で、読者が“心の温度”まで感じ取れる作風が特徴。アニメ化も決定し、幅広い層から注目を集めている。
物語の見どころ
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“二人の王子”という対比の妙 宵と市村、性別は違うのに同じ“王子”と呼ばれる二人の対比が物語の軸。周囲の理想像に縛られてきた二人が、互いの弱さに触れたときに初めて素顔を見せる構図が美しい。
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「美しい」という言葉の衝撃 市村の一言が宵の価値観を揺らし、恋の始まりを告げる象徴的な場面。褒め言葉でありながら、宵にとってはアイデンティティを揺さぶる一撃で、その戸惑いが丁寧に描かれる。
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静かな会話劇と“間”の演出 大きな事件よりも、日常の中の小さな会話や沈黙が中心。表情や仕草の変化で感情を伝える演出が秀逸で、読後に深い余韻が残る。
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周囲のキャラが支える温度感 友人や家族が二人を見守る距離感が心地よく、物語に温かさを与えている。特に宵の父の存在は、家庭の温度と安心感を象徴する。
うるわしの宵の月・ネタバレ感想(1巻)
※以下、1巻の内容に触れます。
1巻の最大の魅力は、宵が“王子”という役割から解放され、初めて“女の子としての自分”と向き合う過程が丁寧に描かれている点だ。
市村と出会った当初、宵は彼の軽い態度に反発するが、コンビニでの一件をきっかけに彼の本質に触れ、印象が変わっていく。
特に「美しい」と告げられた瞬間、宵の心が大きく揺れる描写は本作の象徴的なシーン。
これまで“かっこいい”と言われ続けてきた宵にとって、その言葉は自分の価値観を揺さぶる衝撃だった。
市村が忘れ物を届けに来たり、熱を出した宵を看病したりする場面では、彼の誠実さと優しさが自然に伝わり、宵の心が少しずつほどけていく。
終盤で市村が「気になっている」と告げ、宵が彼を意識し始める流れは、恋の始まりの甘さと不安が混ざり合う絶妙なバランス。
“試しに付き合う”という曖昧な関係に踏み出す二人の姿は、不器用でありながらも真っ直ぐで、続巻への期待を強く抱かせる。
登場人物(主要キャラ)
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滝口宵:女子だが“王子”と呼ばれる高校1年生。凛々しい容姿と誠実さが魅力。
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市村琥珀:宵の先輩で、同じく“王子”と呼ばれる高校2年生。軽やかだが誠実。
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利根のばら:宵の友人。BL好きで宵の恋に興味津々。
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日比谷寿:宵の友人。恋バナ好きで宵の恋を応援。
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茜仙太郎:琥珀の友人。明るいムードメーカー。
作品詳細
総評まとめ:「うるわしの宵の月」
『うるわしの宵の月』は、恋愛漫画の中でも“静かな余韻”を大切にする作品だ。派手な展開よりも、心の揺れや沈黙の間に宿る感情を丁寧に描くことで、読者に深い共感と没入感を与える。
宵と市村という“二人の王子”の関係性は、単なる恋愛の枠を超え、自己認識や役割からの解放といったテーマにも触れている。
特に宵が「美しい」と言われた瞬間の戸惑いは、誰もが抱える“自分はどう見られているのか”という不安と重なり、強い共感を呼ぶ。
また、周囲のキャラクターが二人を温かく見守る構図が物語に柔らかさを与え、読後に心が温まる。
総じて、本作は“静かに沁みる恋”を求める読者に最適であり、アニメ化によりさらに注目が高まることは間違いない。
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