『あたしンち』は、けらえいこによる日常系コメディ漫画で、タチバナ家の4人家族を中心に描かれた作品です。1994年から読売新聞日曜版で連載が始まり、2012年までに全760話、単行本21巻を刊行。2019年からは『AERA』誌で『あたしンちSUPER』として連載再開。母・みかん・ユズヒコ・父の日常をユーモラスに描き、誰もが共感できる家庭の風景が魅力。けらえいこは早稲田大学出身で、本作で文春漫画賞を受賞。アニメ化・映画化もされ、累計1200万部以上の人気作です。
『あたしンち』(けらえいこ):タチバナ家の日常をユーモラスに綴った作品。詳細レビュー
『あたしンち』は、けらえいこが描く庶民派ファミリー・タチバナ家の日常をユーモラスに綴った作品。母の強烈な個性と天然ぶり、娘みかんの思春期の葛藤、弟ユズヒコの冷静さ、父のマイペースな存在感が絶妙に絡み、笑いと共感を誘う。1994年から読売新聞で連載され、アニメ化・映画化もされるほどの人気を誇る。家族の何気ないやりとりに、読者は自分の家庭を重ねてしまう。けらの観察眼と温かい視点が光る、国民的日常漫画の傑作。
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あらすじ・ストーリー
『あたしンち』は、タチバナ家の4人家族が繰り広げる日常を描いたホームコメディ漫画です。主人公は高校生の「みかん」。彼女を中心に、個性豊かな母、無口でマイペースな父、冷静でしっかり者の弟・ユズヒコが登場し、どこにでもあるような家庭の風景がユーモアたっぷりに描かれます。
母の突飛な行動や、みかんの思春期ならではの悩み、ユズヒコの淡々としたツッコミなど、読者は思わず「うちもそうだった」と頷いてしまうような共感に満ちています。1994年から読売新聞日曜版で連載され、2012年に一度終了した後、2019年からは『AERA』誌で『あたしンちSUPER』として再始動。アニメ化・映画化もされ、世代を超えて愛される国民的作品です。
作者紹介
けらえいこ(本名:伊藤栄子)は、東京都出身の漫画家・エッセイスト。早稲田大学教育学部卒業後、イラストレーターとして活動を開始し、1994年に『あたしンち』の連載をスタート。家庭の些細な出来事を独自の視点とユーモアで描き出す作風が特徴で、1996年には第42回文藝春秋漫画賞を受賞。
『あたしンち』は累計1200万部を超える大ヒットとなり、アニメ化・映画化を果たすなど幅広いメディア展開を見せました。けら自身の家族体験や観察眼が作品に活かされており、読者との距離感の近さが魅力です。現在も『あたしンちSUPER』として連載を継続中。
登場人物(キャラクター)
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みかん:本作の語り手で高校生。明るく素直だが、思春期特有の悩みや葛藤も抱える。
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母:強烈な個性と行動力を持つ主婦。家族を振り回すが、どこか憎めない存在。
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ユズヒコ:みかんの弟で中学生。冷静沈着で、家族の中では最も常識人。
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父:無口でマイペース。趣味は晩酌とテレビ鑑賞。家族を温かく見守る存在。
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みかんの友人たち:吉岡、しみちゃん、ユカリなど、学校生活を彩る個性豊かな仲間たち。
感想レビュー(あたしンち)
『あたしンち』を読むと、まるで自分の家を覗かれているような気持ちになります。母の突拍子もない行動に呆れつつも笑ってしまい、みかんの思春期の悩みに「わかる!」と共感し、ユズヒコの冷静なツッコミに救われる。
特別な事件は起きないけれど、日常の中にある小さなドラマが、こんなにも面白く、温かいものだと気づかせてくれる作品です。ときに母の言動にイラッとしながらも、最後には「うちの母もそうだったな」と懐かしさがこみ上げてくる。
家族って面倒だけど、やっぱり大切だなと思わせてくれる。読後には、なんとも言えない安心感と笑顔が残る。忙しい日々の中で、ふと立ち止まりたくなるときに読み返したくなる、そんな「帰れる場所」のような漫画です。
反響と評価
『あたしンち』は、連載当初から幅広い世代に支持され、特に主婦層や学生からの共感を集めました。1996年には文藝春秋漫画賞を受賞し、2002年からはテレビアニメ化、2003年には劇場版も公開されるなど、メディア展開も成功。
アニメは子どもたちにも人気を博し、家族で楽しめる作品として定着しました。SNSやレビューサイトでは「母がそっくりで笑った」「自分の家のことかと思った」といった声が多く、リアルな家庭描写が高く評価されています。
また、連載終了後も根強い人気があり、2019年からの『あたしンちSUPER』連載再開には多くのファンが歓喜。時代が変わっても色あせない普遍的な魅力が、作品の好感度を支えています。
作品詳細
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シリーズ名:あたしンち
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作者:けらえいこ
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出版社:メディアファクトリー(のちにKADOKAWA)
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掲載誌:読売新聞日曜版(1994~2012)、AERA(2019~)
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ジャンル:日常・ホームコメディ
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巻数:全21巻(旧シリーズ)、『あたしンちSUPER』連載中
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受賞歴:第42回文藝春秋漫画賞(1996年)
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アニメ化:2002年~2009年(テレビ朝日系)、劇場版(2003年)
総評まとめ:「あたしンち」
『あたしンち』は、家庭という最も身近な舞台を通して、笑いと共感、そして温かさを届けてくれる作品です。派手な展開や劇的な事件はないけれど、だからこそリアルで、読者の心に深く染み入ります。
けらえいこの鋭い観察眼とユーモアセンスが光り、どのエピソードにも「あるある」が詰まっている。家族の不器用な愛情や、すれ違いながらも繋がっている絆が、読むたびにじんわりと胸に響きます。
アニメや映画を通じて子どもから大人まで楽しめる点も魅力で、まさに“国民的日常漫画”と呼ぶにふさわしい存在。忙しい現代人にこそ読んでほしい、心の栄養になる一冊です。何度読んでも飽きず、読むたびに新しい発見がある。そんな「日常の宝物」と言える作品です。
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